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効果的な入浴法
温泉入浴の効果

温泉の利用のされかたは様々ですが、疲労を回復させる「休養」、健康を保持し病気を予防する「保養」、病気の治療をする「療養」の3つに分類することができ、これを温泉の三養と呼んでいます。では温泉はなぜからだに効くのでしょうか?

温泉の効果は、(1)温熱効果(2)静水圧(3)浮力・粘性(4)その他(環境・気候など)4つ効果が考えられています。わが国ではより良い効果を求めて様々な入浴法が考案されています。なお日本温泉協会のホームページに掲載されている温泉効果を下表に示しました。

温泉地効果のツリー図
温泉の入浴法について
1. 全身浴: 2. 部分浴: 3. 特殊な入浴:
全身浴は、全身を温泉に浸らせる方法で、「全身浴」、「半座位浴」と「寝湯」に分けられます。半座位浴や寝湯は、心臓への負担を減らし、心身の安定や睡眠障害に効果があります。また温泉の温度によってさらに幾つかに分類することができます。
部分浴は、からだの一部分を温泉に浸らせる、または浴びる方法で、該当する部分によって「かぶり湯」「打たせ湯」「腰湯」「足浴」「歩行浴」などに分けられます。最近は足湯ブームですが、足を温めただけで、全身に暖かい血液が循環するので、冷え症などに良く、風邪をひいた時などにも効果的です。
特殊な入浴は、温泉運動浴を除いて温泉そのものへの入浴ではないものについて取り上げました。泥湯、砂風呂、温泉蒸気浴(温泉蒸気室浴や箱蒸し風呂)、痔むし(温泉の蒸気を床面から上向きに噴出させて患部を蒸す方法)、温泉熱気浴(岩盤浴)、温泉運動浴などがこれに含まれます。
肥満・糖尿病と温泉入浴

入浴による消費カロリーは温度が高いほど大きくなります。条件にもよりますが入浴はおおよそ軽いダンスやサイクリングに匹敵するくらいのエネルギー消費量です。しかし42度以上の水温のお風呂は心臓や肺に負担が大きく、からだに良くない酵素の活性化が起こり、糖尿病の合併症の発症と進展を促進する可能性があります。お風呂の水温は39~40度に保ち、一日2~3回の入浴が良いでしょう。付け加えて一日1万歩(元気な方の目安です)歩くことや、あるいは温水プールでの運動を組み合わせて消費カロリーを増加させる事も大切です。

骨・筋、間接の病気と温泉入浴

温泉入浴の効果は保温効果が強く認められることです。適応泉質としては保温作用の強いナトリウム塩化物泉、硫酸塩泉などが適しています。しかし温泉の効果は泉質だけによるものではなく、温泉地の気候条件、環境などの影響も大きいのであまり泉質にこだわる必要はありません。温泉(お風呂)の入り方は40度の温泉に10~20分間入浴するのが基本となります。特に運動浴(お湯の中で運動をする)を目的とする場合は38度くらいのお湯が適しています。お風呂に入りながら軽いストレッチ体操も良いでしょう。

喘息などの呼吸器の病気と温泉入浴

喘息の入浴方法としては、40~42度の温度で2~5分程度の入浴が良いでしょう。おとなの喘息の場合は、湯気の充満した浴室でゆっくりからだを温めて、気管の中の痰などの分泌物を出し易くするのが良いです。湯気が充満した浴室にするためには、まず熱いお湯をふんだんに使って浴室に湯気を充満させ、それからお湯の温度を上手に調節すると良いと思います。硫黄泉は痰を出しやすくすると言われ、俗に「痰の湯」と呼ばれていますが、泉質は強いのでご注意下さい。塩化物泉や炭酸水素塩泉も良いと思います。

高血圧・心臓病と温泉入浴

ご年配者のお風呂の温度は38~41度が最適です。宿泊施設の湯温が高い時には充分気をつけましょう。元来高血圧・心臓病のある人には熱いお風呂は禁物です。お風呂場で心臓や脳溢血で倒れる方が多いのは血圧の上昇と、入浴により汗をかき、水分不足になって血液が濃くなり、血液が詰まり易くなるためです。充分な水分摂取(水を飲む)を行ない、安静に、おとなしくしていましょう。

病後の回復と温泉入浴

温泉地の自然環境は海、山ともに心身のリフレッシュを可能にします。そしてストレス解消、健康増進、休養・保養にも適しています。人生における様々な場面で温泉地での保養や休養が良い結果をもたらします。元にある病気の種類によって当然入浴の条件は変わってきますが、その都度担当医や温泉専門医に相談しながら正しい温泉療法をお受けください。

「かかりつけ湯」では新しい取り組みもしています

伊豆地区の様々な温泉地で温泉の新しい魅力を発見するため種々の取り組みをしています。健康保養プログラムの実践では様々な東洋医学的な健康法(養生法)や入浴養生法など知ることができます。

取り組み風景1    取り組み風景2

ご注意!
温泉の禁忌症
次のような症状のときは、一般に入浴することがいけないといわれています。
急性疾患(特に熱のある場合)活動性の結核、悪性腫瘍、
重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、
その他一般に病勢進行中の疾患、(特に初期と末期)。

このほか、次の症状を持つ人は一般に高温浴(42℃以上)をさけ、
ぬるめのものに入るべきものとされています。
高度の動脈硬化症、高血圧、心臓病

(協力:特定非営利活動法人 エイミック  http://www.atami-amic.com