伊豆文学散歩
石廊崎

石廊崎

伊豆半島最南端の岬で、相模湾と遠州灘の怒濤を受ける絶壁。その海岸線の多くは、海底火山から噴出した火山灰や溶岩からできているため、海の中に岩山が見られ、それらは長年の波の浸食によって険しい地形になっている。

碑文

間もなく濶然として太平洋の大景観がひらけ、平地になって、そこに白い無電観測所や一軒の茶店をや灯台局をみつけた。太陽は温く路傍の巌石の間に自然の水仙の花が咲いてゐる。岬は獅子のやうに草の毛をなびかせて、真黒な巌の鼻をぐいと太平洋へのばし、濤の音にゆるぎもせず海の王座を占めてゐる。(佐藤惣之助「冬の石廊崎」より)

所在地:賀茂郡南伊豆町石廊崎