伊豆文学散歩
若山牧水 五号碑

若山牧水 五号碑

大正9年12月1日、沼津から出て三島大社にお参りし、旧東海道を箱根に向かった折の紀行文。やはり美しい川の流れと、澄んだ空気、富士の絶景に感動している様子がうかがえる。
西伊豆への旅の途中に見た沼津港の風景に魅了され、この年の夏から沼津に移り住んだ。

碑文

宿はずれを清らかな川が流れ、其処の橋から富士がよく見えた。沼津の自分の家からだとその前山の愛鷹山が富士の半ばを隠してゐるが、三島に来ると愛鷹はずっと左に寄って、富士のみがおほらかに仰がるるのであった。克明に晴れた朝空に、まったく眩いよどに、その山の雪が輝いてゐた。

所在地:三島市 桜川沿い