
川端康成 詞碑
「伊豆の踊子」の主要な舞台である湯ケ野温泉。「私」が泊った宿、福田家に隣接する場所に建碑されたのは昭和40(1965)年。福田家には川端の書や資料が多く残っている。太宰の宿としても知られるが彼らの泊った部屋もほぼ昔どおり残っている。碑にはと「伊豆の踊子」の一節が自筆を拡大して刻されている。
碑文
湯ケ野までは河津川の渓谷に沿うて三里余りの下りだった。峠を越えてからは、山や空の色まで南国らしく感じられた。私と男とは絶えず話し続けて、すっかり親しくなった。荻乗や梨本なぞの小さい村里を過ぎて、湯ケ野の藁屋根が麓に見えるようになった頃、私は下田まで一緒に旅をしたいと思い切って言った。彼は大変喜んだ。
所在地:河津町湯ケ野 福田家横