伊豆文学散歩
夏目漱石 詩碑

夏目漱石 詩碑

いわゆる修善寺大患のさなかに得た五言絶句。漱石はいろいろな機会に好んでこの詩を書き贈っている。「横たわって日がな一日静かに大空を眺めている。大空の白い雲は少しも動かない。終日はるかかなたに浮かんでいる」という内容。まさに主客融合した境地、病気が快方に向かい、気持ちが安定してきた時期の作である。

碑文

仰臥人如唖 黙然看大空 大空雲不動 終日杳相同
(仰臥して人唖の如く、黙然として大空を看る。大空は雲動かず、終日杳として相同じ。)

所在地:伊豆市修善寺 自然公園内