
与謝野鉄幹・晶子 歌碑
船首の左に、黄金崎の代赫いろの裸の断崖が見えはじめた。沖天の日光が断崖の真上からなだれ落ち、こまかい起伏は光りにことごとくまぶされて、平滑な一枚の黄金の板のように見える。断崖の下の海は殊に碧い。異様な鋭い形の岩が身をすり合わせてそそり立ち、そのぐるりにふくらんで迫り上った水が、岩の角角から白い千筋の糸になって流れ落ちた。
碑文
島の洞御堂に似たり 舟にして友の法師よ 参れ心経 寛
堂ヶ島 天窓洞の天窓を ひかりてくだる 春の雨かな 晶子
所在地:西伊豆町 堂ヶ島