
木下杢太郎記念館
文豪たちとの交流を伝える書簡や原稿の数々が展示されている。彼は学生時代から森鴎外自宅で開かれた観潮楼歌会に出席し、与謝野夫妻や北原白秋、石川啄木らと交わり、文壇で名を馳せるに至った。また画才にも恵まれ、「百花譜」と名付けた優れた草木画の画集もある。こなまこ壁がバランスよく配された土蔵造りの外観から黒光りする梁や柱に歴史を感じる内装に至るまで、明治の商家建築の粋を集めた記念館の建物だけでも一見の価値がある。裏手にある生家は1835年(天保六年)に建てられ、民家としては伊東市最古のもの。